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当社は、福井県を拠点に産業廃棄物の処理、処分を行う“総合環境エンジニアリング企業”です。大量生産、大量消費、大量廃棄が当たり前に行われていたバブル景気の真っ只中、私は「大量廃棄」に目を向け、産業廃棄物関連事業をスタート。全国の業界団体とのネットワークを広げながらノウハウを積み重ね、この分野において県内トップ企業へと成長しました。当社の強みは、処理提案から最終処分に至るまで、一貫したトータル処理システムを保有している点にあります。企業から排出される産業廃棄物はその種類や量に応じて、最適な処理、処分の方法が異なります。私たちは法令に準じ、より安全で低コストな処理・処分方法をプロデュース。収集・運搬した廃棄物を選別し、品目に応じて中間処理(焼却)、最終処分(埋め立て)しています。
廃棄物を埋め立てる処分場は最終処分場といわれ、埋立品が環境に与える影響の度合により「安定型」「管理型」「遮断型」の3種類に区分されます。安定型処分場は、環境への影響が少ない指定品目を埋め立て処分できる最終処分場で、当社ではこれまで5ヶ所の建設の実績があります。さらに、2017年には福井県の民間企業では唯一となる管理型最終処分場の建設が決定。2020年7月の完成に向けて、建設を進めています。管理型最終処分場は埋め立て可能な品目が増えるため、安定型以上に厳格、かつ環境に配慮した管理体制が求められます。約53万㎥の規模となる当社の管理型最終処分場は、浸出水が地下水や河川へ流れ出て環境を汚染しないよう構造や水処理、微生物による有機物の分解や薬剤処理など安全管理を徹底。浸出水を焼却プラントの冷却水として再利用するなど、環境に配慮した循環型の設備として約50億円を投資する大規模プロジェクトとなっています。
最終処分場は社会にとって不可欠なものである反面、地域住民の方々にとっては必ずしも歓迎できる存在とは言い切れません。そのため、私たちは「人」と向き合うことを何よりも大切に考え、地域との交流や、地元社会への貢献活動にも取り組んできました。最終処分場の建設にあたっては、周辺住民の皆様に私たちの仕事の必要性、および環境への配慮や安全への取り組みをご理解いただけるよう、話し合いや説明会、見学会などの地域活動を実施。地域の皆様と真摯に向き合い、交流・親交を深めています。地道な活動が徐々に認知され、現在では私たちの仕事に対する理解も広まりつつあります。このような企業姿勢は現在も貫かれており、地域密着型企業として地域の清掃や祭りなどに積極的に参加。地域に根ざした活動を展開しています。
当社を設立した大量生産、大量消費、大量廃棄の時代から時が流れ、現在は、「ゼロ・エミッション」といった循環型産業システムの構築が社会的に提唱されるようになりました。産業廃棄物も急速にリサイクルが進み、最終処分される量は減少。今後は企業と協働して排出量を減らしたり資源化する方法に取り組むことも私たちの大きな課題となっています。産業廃棄物に関連する法案も改正されるなど、私たちの業界は常に変化し続けています。今後は廃棄物の自動選別などのIoTやAIを導入したプラントの建設や、最終処分場廃止後の土地の有効活用として処分場の跡地に太陽光パネルを設置した太陽光発電所の建設、また、焼却炉の排熱を利用した農業とのコラボレーションなど、新たな展開も視野に入れています。時代が変わり、技術が進み、人々の意識が変わりゆく中、私たちの仕事も変化に順応していくことで、新たな可能性が広がっていきます。意欲的に物事に取り組む姿勢、挨拶など人間としての基本が備わっている人であれば、この仕事の中に面白さを見つけていただけるでしょう。
代表取締役木下 高廣